"SINGLE-ORIGIN OFFERS"
Top Specialty / Light Roast
Huila, Colombia
San Luis Mix-Fermentation / Washed
生産国:Colombia
エリア:Huila
農園名:San Luis
標高:1,600m
品種:Caturra
精製処理:Mix-Fermentation / Washed
Cupping Comments:
Floral, Tippy Darjeeling, Muscat, Green Apple, Tropical, Kiwi, Complex,
Lactic, Brown Sugar, Smooth MF, Elegant, Sweet Long After
評価:Top Specialty
本ロットの仕上げは「浅煎り」となります。
農園と生産者について
コロンビアのコーヒーでよく語られる「マイルド」という表現。これは世界的にも大規模な生産地である太平洋寄りのナリーニョが確立した評価となります。ここでご紹介する山岳地帯のウィラはナリーニョとは全く異なるテロワールの生産者を擁し、同国のスペシャルティコーヒーにおいて希少ながら主役の座につく存在です。
ウィラのトップクラスの生産者のテロワールは一貫するところがあって、一才の淀みやぼやけた印象がない透明感、そしてそれゆえあまりにも鮮やかに、かつ複雑に現れる花香や果実香がその特徴とされます。
モッタ・ファミリーが営む1Haほどのサン・ルイス農園ですが、険しい山岳地方のウィラの中ではやや特徴的な気候で、東西に抜ける山間という地形からか降雨が多く、風が抜け、比較的温暖であるという特徴があります。農園主であるアミン氏はこの立地を品質に生かしており、各栽培エリアごとに最適な収穫のタイミング、精製時の設備の最適化などここならではの育まれた管理技術と環境を駆使して独自性のあるロットを出荷しています。
品種と精製処理について
アラビカ系コーヒーのうち、最初に区分された単一種がティピカ。次いでティピカから突然変異で生まれたのがブルボン。
ブルボンからの突然変異でカトゥーラが誕生し、伝統的な品種としては今や最も技術的蓄積が豊かな存在となりました。
精製方法にある「Mix-Fermentation / Washed」ですが、その前半はハニープロセス、後半が水洗式とそれぞれの工程を組み合わせたようなものとなっています。
まず収穫時点で糖度計による数値が20で熟度管理されたチェリーを用い、外果皮と果肉を除去したのち、その内側にあるミューシレージ(糖質層)を水を用いない発酵プロセスで分解。この工程は経過時間を絶対値とせず、目標とするpH値に到達するまでを適正値としているそうです。ここで得られる効果は厚みのある甘さを生じやすいハニープロセスと同じもので、このロットにもその性格が現れています。
果肉を外されたパーチメント(内果皮と種子)はミューシレージの発酵とともに乾燥し始めますが、ここで発酵層とフローター選別水路を通し、残留ミューシレージの除去と種子の糖質の発酵によるシャープでクリーンな風味を導きやすい水洗式工程に移行します。
その後の乾燥も床までメッシュでできたビニールハウスのような設備で行うなど、常に変数である環境に対し一連のチェリー〜生豆が受容するプロセスが常に定数を維持できるよう、それが最高の結果を導くものであるよう、彼らの仕事はユニークな工夫と努力に溢れています。
今回入荷したサン・ルイスのミックスファーメンテーションロットですが、実は別の固有名が与えられており、それは農園主の本名そのまま「アミン・モッタ」とありました。それはさながら、このロットが彼らの渾身の一作であるように感じられます。
コーヒーの印象について
ウィラのコーヒーが一番好き、と度々公言しているシエロですが、今回このサン・ルイス、いえアミン・モッタのロットも類に漏れず素晴らしいクオリティと個性を楽しめるものとしてご紹介したいと思います。
フローラルで、明るくて、透明で、だからこそ複雑なフレーバーが際立っていて、クリーンさゆえ後味も、冷めてからもなお魅力的な表情を見せてくれる。これがウィラ!
ドライ(粉砕後、お湯に触れる前)から抽出後、高い温度帯まで強く感じられたのが紅茶の、とりわけ茶葉の発酵を進めずに仕上げるダージリンティーの印象。グリニッシュ(赤い紅茶の持つどっしり感の対義にある)で、紫外線由来のタンニンを多く持たない「ティッピー」と呼ばれる花香やうまみを特徴とするそれらに通じた高貴なフレーバーはロースター個人的な好みにあてても特別なもので、同じティーライクでもイルガチェフェのようなセイロンやアッサムよりのそれと一線を画すものだと思います。
フルーツ感はマスカットや青リンゴ、少し温度が低くなるとキウイと暗喩したくなるような、爽やかさとジャミーさが入り乱れるようなリッチさを持ったもの。それらを包むようにブラウンシュガーの深みのある甘さが全体をまとめ上げていて、その余韻は鼻腔に長く、心地よく残ります。
表現がフレーバーティーのよう?コーヒーではない?
はい。コーヒーがこれまでの経験に沿ったものであるべきか、それより感動を与える飲みものがお手元に届けられることのほうがずっと価値のあることだとシエロは考えています。
しかしながらアミン・モッタが取り組んだすべての材料と工程は、まぎれもなくトップクオリティのコーヒー、それも極限まで純度を高めた取り組みの産物であると言い切れます。
スペシャルティコーヒーそのものと言ってしまえばそのままですが、ここならではのテロワールも加味して。
そして手前味噌ながら、シエロの技術的な加担と相性も含めて。
もう一度、言いますね。
これがウィラ!!
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