So, your COFFEE STYLE would be..
こんにちは、いつもありがとうございます。
まずはニュースから。
Project / Single Origin と銘打った各銘柄 につき、これまでは浅煎り(常時受付)と中深煎り(月イチ出荷のご予約のみ)という扱いでしたが、これを変更します。しました。
変更前:浅煎り(常時)or 中深煎り(予約→翌月月初に出荷)
変更後:浅煎り(常時)or 中煎り(常時)
併せて定期便の新規受付分も、中深煎りの該当分を中煎りに変更しています。
既存のお客様の今後については、従来通りか中煎りかご選択いただけるようにご案内を送らせていただきます。
で、ちゃんと説明しないとなって。
こんなのを作りました。
FIND "AGAIN" YOUR COFFEE STYLE
ご自身の好みやロースターの考えを客観的にマッピングできるように。
① スペシャルティコーヒーに関して(Perla)
スペシャルティコーヒーに関しては、もう答えは出てるんです。
・銘柄の個性を楽しみ尽くすなら、浅煎り一択
・いろんなシーンで楽しめるオールマイティーなら中煎り
図中の一番下にある「素材の長所・短所が出やすい」は、もう少し意図を掘り下げると「長所を見極め、短所に該当しないものを充てる場所」ということで・・・逆にその矢印を右に進むほど、素材の持つ要素を調理過程でマスクし変化させながら完成形を目指していく、となります。
左によるほど素材品質に厳しく、右ほど寛容にできる可能性があります。
これまでPerlaラインのスペシャルティコーヒーに対し、定期便と予約対応でご用意させていただいていた中深煎り。この焙煎レンジでは図中にて「苦味・刺激」の要素が入り始めているのがわかります。
コーヒー豆の色がキャメルからブラウンへ、そして深い焦げ茶色になるこのポイントで発生しているのは「炭素」の成分。そこまで香ばしさを作ってきたのとは違う要素が生まれます。この領域での変化は浅い焙煎レンジで藁や土臭さ(大地の香りとか言われますね)ナッツ臭、がさつきなどの雑味が出る生豆では大変有効に働くものの、本当に優れた素材にとってはその個性も苦味のむこうに掻き消されてしまうという悩みがあります。
どうにか、従来のコーヒーのイメージから離れすぎず、その素材の魅力を表現してあげたい。
生豆のストックを見る限り、明らかに質と回転状態が良くなっている。だからこそ今、そこに強い使命感を感じて「中煎り」への転換を決意しました。
② プレミアムコーヒーに関して(Ignis)
正直に言って、イグニスラインの素材は浅煎りでの提供に耐えることができません。
そこで獲得した価格的な負荷に関するアドバンテージを、シエロの技術を投入することで最良のアウトプットに変えていく。それが最初から今まで、一貫しているこのラインのコンセプトです。
イグニスラインに関しては「中深煎り」のよさをしっかり感じていただけるように、これからもこの品質と価格、技術面までをしっかりとブラッシュアップしていきます。
では、なぜ「中深煎り」なのか?
「深煎り」つまり図中のより右に踏み込まないのは何故か?
それを少しお話しします。
③ コーヒーの酸味が苦手
そう、そう言われることがよくあります。
そしてその酸味とは、実は「苦味に伴ったえぐみ」だったりまします。
まず、苦味そのものに刺激があり、それを高温抽出や長時間抽出したときのあの味を「酸味」と勘違いしてしまうケース。そして、焙煎技術や機材環境の影響で重たいえぐみを与えられてしまったコーヒー。
そういった旧態のクオリティから、それしかない経験的世界や知識から消費者の皆さんを解放したいと思っています。
コーヒーの酸というものは存在します。が、それは図にあるようにかなり早い段階で消失しています。
あとは何かあれば「えぐみ」だと思って大丈夫です。酸とはクエン酸やリンゴ酸、乳酸のようなもので本来フルーツやワインが持つそれに極めて近い形で感知できているので・・
炭素由来のえぐみ、素材や焙煎技術由来の雑味が出たときの対処法というのも存在しますが、方法論だけが先走ることを自分は嫌うのでこの話題には触れません。
シエロのミッションは、皆さんがあたりまえに美味しいコーヒーを淹れられるアウトプット。それを妥協せず、こちらでしっかり完結させて出荷し続けること。
特別と普通の境界線からの「Be Free」を掲げて、今回の変更も、これまでどおりの部分も、いつもそんなことを考えながら取り組んでいます。